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ブルー・ジェイのKのレビュー・感想・評価

ブルー・ジェイ(2016年製作の映画)
3.7
アメリカの片田舎のスーパーで、かつて恋人同士だった中年の男女が再会してはじまる会話劇。

2016年の作品で、なおかつ舞台も現代であるがずっとモノクロ映像なのが目新しく感じた。カラーになることなくずっとモノクロだからこそ、ふたりの愛はもう「過去」のものであの頃のふたりにはもう戻れないことが切なくもリアルに伝わってきた。

どうしてふたりが別れてしまったのか、その理由がわかるラストはあまりにも辛かったし
あのとき別の手紙が渡されていたらふたりの未来も生命のゆくえも変わっていたのかもしれないと思うと悔やまれる。ただ、人生の窮地に追い込まれたときに発する言葉や行動こそがその人の本性だと思うので、いくら若かったとはいえたとえ恥ずかしかったとしても愛のある言葉を伝えられずget well なんて書いたバルーンを渡してしまうジムこそがジムなのだと私は思うし、別の選択をしていたとしても、残念ながら別の後悔が待ってそうなふたりだなとも感じた。

今歩んでいる人生が事実で、このままそれぞれの道を歩んでいくしかないと吹っ切れたようなふたりのラストもまたリアルだった。

2023年18本目
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