すごく面白い。小泉八雲の古典にある“畏怖”を現代向けに解釈した良作。目に見えるものだけが世界じゃないという怪しさと曖昧さを纏った映像美は、明確なメッセージを感じる。監督・主演を務めた杉野希妃さんの才能にあらためて驚嘆。
同じく監督を務めた『マンガ肉と僕』もそうだけど、杉野さんは世間の需要に応えるよりも、いま世間に足りないものはこれなんじゃないか?という視点から作品を作ってるように感じる。だからこそ、オルタナティヴとしての力強さがあるのだと思う。
撮影が上野彰吾さんというのも見逃せない。上野さんはロング・ショットや長回しが持ち味なんだけど、その良さがすごく出ている。特に温泉のシーンは絶品。