たつかわ

八重子のハミングのたつかわのレビュー・感想・評価

八重子のハミング(2016年製作の映画)
3.9
いつ終わるかわからない

教育現場で結婚した夫婦が50代のころに夫のガンの看病をきっかけに
若年性アルツハイマー病になった妻に対して、
夫がどのように立ち向かったのかという闘病記である。

妻の病気はあまり進んでいないときは、
夫が体を張って妻の病気を直そうと試みたり、
理由がわからないある歌を歌いながら
妻のトイレの補助を行ったりと笑わせてもらいました。
そして手紙のシーンは泣かしてもらった。
以前、泣いたのは昨年公開の「ふたりの桃源郷」というドキュメンタリー作品で
本作と同じ山口を舞台にした作品であり、
老いをテーマにした作品です、こちらも進めます。

後半以降、病気が進んでとても見ていられない状況になる。
徘徊するようになり、夫は限界を感じ近所に妻の病気を
オープンにして、近所や周辺が妻の病気を理解するということになるのだが、
山口萩という地方都市だあれば可能だが、都会では可能なのだろうか。
隣に住んでいる人があまりわからないのに。

その生活が突然終わる。
それにしてもいつ終わるかわからないし、
出口が見えないし普通の人は途方に暮れるだろう。
本人ではなく周りが壊れてしまうから恐ろしい。
主人公は立派に最後まで看病したが
私には正直無理だと思いました。

雑な面も正直ありますが、
見る価値のある作品です。

<余談>
上映後に、監督と主演俳優のトークの中で、
雨のシーンは萩市の消防局の放水車を使用したという話があり、
理由はお金がないためにプロの技術隊を雇うことができなかったと言っていた。
しかし、七人の侍の影響なのか、日本映画を見ていると「雨量多すぎ」と思いながら見ているので、本作は丁度いいなと思いながら観ていました。
今後は全部の日本映画の雨のシーンは萩市に任せればいいのに。
たつかわ

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