坂本龍一と黒沢清を同時に生で見られるなんて最高じゃんというミーハー心だけで出向いた大島渚賞の受賞記念上映会で受賞作である「セノーテ」にすっかりしてやられてしまったので、過去作が見られる機会を心待ちに…
>>続きを読む映画が人間ドラマであり記憶であり技法である以前に、まず第一に光学的な現象であるという当たり前のことを意識させられる。あらゆるシーンはスクリーンという平面上に広がる光の強さ、色彩、広がりの度合がその都…
>>続きを読む『鉄西区』第一部とか、エイゼンシュテインの映画を思い出すような。
轟音を立てて駆動するマシンをひたすらに写す。無骨で冷たく地味なようでいて、よく見ると意外とカラフルで熱くて、生命を感じる。
トビー・…
小田香の出世作。作家性を確立したマスターピースである。ノイズから爆音へ、重機の振動と騒音、張り詰めた緊張感、荒々しい男たちの世界、回る歯車、坑道の闇。ヨーロッパで有数のサラエボ近郊のブレザ炭鉱をノー…
>>続きを読む 青年になることは、いわば事物間の航海者になることであり、書物と現実とによって引き裂かれた海をさまよう、「時」のオデッセーになることを意味していたのである。
──寺山修司『青少年のための自殺学入門』…
自転公転を続けるこの地上から取り残された坑道の奥でそれは滴り、それは煌めく。闇へ作動音を響かせる重機群、蠢く坑夫の肉体群。坑内深部へ女性監督が分け入ることの珍しさも、ボスニアの炭鉱で日本人の若手が撮…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
音と闇と光の暴力に我が身を晒す68分(褒めてる)。
監督がタル・ベーラの弟子ということで、
20分くらいの長回し×3とかで
構成されていたらどうしようという不安は杞憂だった。
トランス状態になるか、…
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