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アマンダ・ノックスのAirconのレビュー・感想・評価

アマンダ・ノックス(2016年製作の映画)
3.8
第一印象では絶対イノセントのほうなんだろうなーって思った。
第二印象ではおや?って感じになって。
ドキュメントでそこで振り回される作りってけっこう斬新かも。

映像的には、彼らのインタビュー、当時の資料映像、町の空撮とか現在の映像。

外部の法医学者が言ってた事が、常識なのかもしれないけど、衝撃的だった。
「手を動かすだけで少量の細かいちりが舞う。その瞬間、我々は周辺に微量のDNAをまき散らしているわけだ」
ガタカ成立しない。

そりゃ現場の汚染具合から見たらいくらDNAが出たからって、シェアハウスなんだから当たり前くらいのもの。
ラボもコンタミを気にしてない。
報道もダブルチェックをしていたらライバルに先を越されるとか、構造的問題。

最高裁の判決はとりあえずは正しい。
中途半端な証拠で有罪にしてはいけない、疑わしきは"罰せず"が現代法の原則。

なぜマスコミが過激に冤罪を煽る報道をしてしまうのか。

「疑わしきは"罰せよ"」は、容疑者ではないその他の人々にはインセンティブになる(安全)ので、世論(またはその集団)に任せてしまうと、疑わしい人はとりあえずどんどん罰していった方が無難、ということになる。
(罰も重ければ重いほど、なんならどんなに軽い疑いでも殺しちゃったほうが集団の安全性は上がるので、罰も重くなる方向に力が働く。)
なのでマスコミはその意向を汲みとっていて、もはや人間の本能的なものが原因な気がする。

建前では「冤罪は良くない」って言うけど、本音では「とりあえず全員有罪で」って思ってしまうのが人間。
集団にとっては罰したほうが”無難”というのは認識しておくべき前提な気がする。
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