犬のロボット

ビリディアナの犬のロボットのネタバレレビュー・内容・結末

ビリディアナ(1960年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

キリスト教における「救済」に踏み込んだテーマが重たかった。叔父に裏切られても、自分の信仰に基づき正しくあろうとしたビリディアナは最終的に物乞いにも裏切られ犯される。ホルヘがビリディアナに、「全ての物乞いを救うつもりなのか」と聞いたように、そもそも彼女の救済には限度があった。そして誰が救われて誰が救われないのか、救われるのは善人で、救われないのは悪人なのか。そのことはホルヘが働かされボロボロの犬を引き取った直後のショットの別の犬の存在が暗示していると思う。また、最後の晩餐を引用したショットの中心、キリストの位置に粗野で下品で暴力的な盲目の男を置いたのは非常に印象的だった。バチカンがブチギレたのもそりゃそうだろ…としか言えない。他にも夕べの祈りと工事現場の並行モンタージュやラストのビリディアナの虚な表情なども印象的。ともかく凄まじい映画!
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