TAK44マグナム

Headless(原題)のTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

Headless(原題)(2015年製作の映画)
3.9
殺さないと。
バラバラにしないと。
その瞳を食べないと。
愛せない。


狂ったお兄ちゃんにとんでもないプレゼントを貰って茫然自失になる弟くんという究極の変態的兄弟愛を描いた、スコット・シャーマー監督の「Found」。
その劇中に弟くんが友達と観てドン引きし、お兄ちゃんを殺人道へと導いたのが「Headless」という架空のホラー映画だったわけですが、それを実際に長編映画化したモノが本作。
監督を務めたのは「Found」で特殊メイクを担当していたアーサー・カリファー。
あの、あまりに畜生な狂気で我々の度肝を抜いた職人さんが撮ったからか、変に余計な寄り道はせずに理想的なアップデートが施されています。
その中身は、「found」におけるゴア描写を一手に引き受けていた「Headless」の残虐行為をそのまんまスライドし、ドクロマスクの殺人鬼が何故生まれたのか?というルーツが判明する趣向。

ひたすら人を拉致っては、男はハラワタを引きずり出してチ●コを切断、女子は足やオッパイ、最後は首を切り裂いてブッこ抜き、目玉をスプーンでえぐっては藤子不二雄A先生のマンガみたいに「ンマ〜〜イ!」(とは言わないけれど)って感じで美味しそうに飲みこみ、生首にイチモツを突っ込んではイキ果てる凶行(←ルーティンになっている模様)を繰り返す殺人鬼。
恍惚と歓喜に打ち震えるその姿に、こちらはこちらで心の底からどんよりさせられますよ。
作り物っぽくはあるものの限界ギリギリの線を攻める、まさしくキワモノの極致!
ゴア耐性がないとキツいですし、女性は生首オ●●ーで不快指数が跳ね上がると思いますのでオススメしかねる内容です。

さて、それではこんなにもキチ●イ純度5億%の豊潤すぎるサイコパスがどうやって出来上がったのか?
それは少年時代、ベタって言えばベタなんですけれど母親や姉から虐待を受けていたからなんですね。
檻に入れられて、おしっこかけられながら育てられたら、そりゃ人間狂いますよ!
いつのまにやら骸骨頭のイマジナリーフレンドである「スカルボーイ」が見えるようになった少年は、彼の指示通りに誰彼構わず殺してしまう立派なシリアルキラーに成長します。
大人になった現在でも、寝るときは落ち着くからか檻の中。
そこから這い出るときは獲物を狩るときなのでした。

字幕も何もないので詳細は理解できませんでしたが、実質、主人公は殺人鬼であり、唸るだけで台詞がないので全然OKでしょう。
一応、ローラースケートリンクで働くヒロインや兄貴、そして変態店長や同僚女子とか登場人物はいますが、殺され要員ばかりなので何言っているのか分からなくても問題ありませんでした。
これを観るということは、イコール、残酷描写を見たいということなのでしょうしね。

しかし、いくら可哀想な過去があるにしても、楽しそうに生首を弄んでいる姿を見るとまったく同情の余地が無いですな(汗)!
殺人鬼役は全然知らない俳優さんですが、ドクロマスクの向こうの目が本当に狂った光を放っていて、ちょっと心配になるほどです(汗)
「グヘヘヘヘ」と目玉を潰しながらゴクゴクする姿がハマっているってどうなんだろうか(汗)
ある意味、凄い役者魂を感じました。


とにかくやっている全てが非道い!
このド外道さを愛せるかどうかで本作への評価は変わるかもしれません。
好きな方はとことん好きでしょうから、「Found」のお兄ちゃんはこれを観て感化されて、思わず人間を辞めちゃったんだろうなぁ・・・と、思いを馳せちゃったりしましたよ。
人を狂わすのも納得の狂いっぷりが最高にゲロ吐きそうなスーパー暗黒映画。
微妙にキュートなスカルボーイのフィギア作って売ってほしいぞ!