ササキ・タカシ

ヘッド・ショットのササキ・タカシのレビュー・感想・評価

ヘッド・ショット(2016年製作の映画)
2.0
『ザ・レイド』のイコ・ウワイス主演&アクション監督、『KILLERS』(※1)のモー・ブラザーズ監督のインドネシア産アクション映画。インドネシアの映画は今年はたぶん本作一本限りの日本公開になるんじゃないでしょうか。内容は、まあぶっちゃけ『ザ・レイド』と同じようなものでして、イコ・ウワイスくんが血だらけになりながらシラットで必死に闘い続ける「もういいよ! 休ませてあげてよ!」って感じの見ててウンザリ系格闘ものです。後半ほぼバトルし続けてるので、頭空っぽにして鑑賞できるよ! イコくんが振り付けしたという格闘アクションはジャッキーっぽくて見てて楽しかったのですが、俺なあ、あの格闘シーンになると「はい、ここから格闘シーンですよ」みたいな感じでいきなりカメラワークがガラッと変わるのあんまり好きじゃないんだよなあ。急にガチャガチャしだすやつ。感情移入がブッちぎられちゃう気がするんですよ。そこらへん、『ザ・レイド』はすごく上手くて見やすかったと思って。脚本の方は、まあ、正直言って学生の自主制作みたいだと思いました。セリフがね、ちょっと、うーん。一番イケないのは主人公が記憶喪失という設定(※2)があんまりお話の推進力になってないところでして、主人公が何者なのか? というミステリー要素が希薄だし(中盤で大体わかっちゃうし、大した正体でもないし)、自分探しのドラマもそんなにない(あっけなく記憶が元に戻っちゃうし)。むしろ記憶をなくした振りをしてヒロインと逃避行、みたいなプロットの方が盛り上がったんじゃないのかとも思わなくもないです。

でもリカちゃんのシークエンスは好き! めっちゃ情緒に流された演出になってて面白かった。ああいうどうしようもない感じ最高。インドネシアの海に行きたい!


※1 北村一輝のPVとも言える、なんでインドネシアの人が作ったのか意味不明な怪作。北村一輝ファン必見。北村一輝ファン以外の人は特に見なくても良い。

※2 『ボーン・アイデンティティー』のパクリだなんて思っちゃいけない。『ボーン・アイデンティティー』だって最初はジャッキー・チェンの『WHO AM I』のパクリだ! って言われてたのだから。
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