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残像のmatsuのレビュー・感想・評価

残像(2016年製作の映画)
3.8
「カティンの森」のアンジェイ・ワイダ監督の遺作。

舞台は1945年(世界大戦終結後)、ポーランド。ポーランドは政府機関はあるけれども(社会主義政権)、ソ連の言いなりである。

ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキという至極真っ当な画家(大学教授)がいた。社会主義政権が芸術を自分たちの思想に合わせた方向に導こうとする中、彼は芸術の自由を貫いた。

大学で教授や生徒に向け、国務大臣が社会主義に合わせた芸術作品を作るように指示するが、ストゥシェミンスキは真っ向から反論する。一部の有能な生徒たちは彼を支持する。

大臣への反発により、彼は大学をやめさせられた。画家協会の会員資格も失った。会員資格がなければ画材道具が買えない。当時は戦後で生活が苦しく食事は配給制であったが配給ももらえなくなる。

さまざまな迫害を受けるが、彼は結核を患い亡くなるまで不屈の精神で社会主義政権と闘い続けた。

彼の不屈の精神を見習いたい。彼のように、周りの人や権力者に屈せず、本当に良いもの・素晴らしいものを評価し実践できる人間になりたいです。
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