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浮き草たちのkuuのレビュー・感想・評価

浮き草たち(2016年製作の映画)
3.8
『浮き草たち』
原題Tramps
製作年2016年。上映時間82分。

運び屋の仕事を請け負った男女が一緒に行動するうちに惹かれ合っていく姿を描いた、サスペンス風味の青春ラブストーリー。
カラム・ターナーとグレース・バン・パタンが主人公の男女を好演。

ポーランド移民の青年ダニーは、留置場に入れられた兄に強引に頼まれ、兄がやるはずだった怪しい仕事を代行することに。
その内容は、ブリーフケースを乗せた車である駅へ行き、別のブリーフケースと交換するというもの。
待ち合わせ場所に現われた運転手の少女エリーと指定の駅へ向かうダニーだったが、誤って別人のブリーフケースと交換してしまい。。。

あまり情報をもたないで気まぐれで観ましたが、冒頭のシーンで、オッこりゃエエ作品なんちゃうかと予感して視聴開始。
基本は、現代のロマンスストーリーで、ニューヨークを舞台に、型破りな境遇で出会った2人の若者が、全く違う人種に見えるが、間違いを正し、うまくいけば小金を稼ぐために冒険の旅に出ることになるってモンで。
美しく、小悪魔的な敗者たちが、逃亡先で愛を見つける。
エリー役のグレース・バン・パタンが、エフォートレスなクールさと巧みな演技で雰囲気を盛り上げてました。彼女は登場するたびに新しい層を見せる、自然なスリラーや。
(スリラーは、文学作品、映画、テレビ番組での幅広く使われる描写手法の一つであり、様々な主題の作品で使われる。テンポが速く、アクションの要素が高頻度に出ることが特徴で、プロット的には機知に富んだ少数の英雄的な主人公が重武装の強大な敵の計画を《しばしば暴力によって》阻止しなければならない、というもの。)
美しく、より優美過ぎない。
カラム・ターナーは、ダニー役でグレイス/エリーに完璧な箔を付けてた。不器用でつまずきの多い彼は、エリーの周りを回り、当然のように彼女に心酔している。
二人の間には明らかな違いがあるが、作中やと不思議なほど崇高な化学反応を示している。
平凡な野郎がセクシーな女子をGETするのを見るのは、いつだって、軽い嫉妬心を芽生えつつ楽しいもの。
彼らの不運な冒険を追うのは楽しい。『カサブランカ』のような、老いたボギーの心を魅せ、躍らせる瞬間もあった。
自分自身を笑うことを恐れない、進歩的なロマンス映画。
ただ、台詞が想像力不足なところがあり、主役の二人しか印象に残らないのは残念なとこかな。
でもまぁ、ほんま主役の一人一人が見事に練り上げられた脚本を自然に表現してるんで、物語を信じられるような気がする。
エンディングは陳腐なものになりかねない流れながら、それを巧みに回避してたし、個人的には素晴らしい映画やったかな。
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