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君が描く光/ケチュンばあちゃんのmofaのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

間違いのないキャストで、
本当に、間違いなかったな・・・満足いく作品です。
キム・ゴウン様ユン・ヨジョン様と
演技はまぁ、申し分ない上に、
脚本が良かったし。
117分、最後の1分まで中身のしっかりと詰まった感じだ。
不要な場面はほぼ無いし、一つ一つのシーンが、
物語に厚みを持たせる伏線になっているのだ。
口紅、クレヨン、オモチャのブレスレット、
日焼け止めクリーム、ラジカセ。
ケチュンとの海潜り。
そして、空と海のどっちが大きい?という質問。

散りばめられた伏線は、意味をもってしっかりと回収され、
その一つ一つにシーンを印象付けることに成功している。
正直、映画を色々観ている人にとっては、
この流れを察知してしまうが。
察知してもなお、面白みが欠けるワケでもなく、
むしろ、その前提で観ると、それぞれの演技が身に沁みるのだ。
(なので、2度観ることをおススメしまう)

「空と海とどちらが広い?」と再会したヘジに、そう問いかけ、
昔ヘジが言った答えとは逆の答えを言った時の、
ケチュンの表情は秀逸だった。
ヘジがヘジではないという疑惑を感じながら、
それでも、そうであると信じたい。
そんな心情が伝わってくるワケなんですよね・・・。
そして、続く言葉は、たとえそうであっても、
孫として自分の所へ来た以上、守ってやりたいという
決意も感じさせられた。
「つらい人生に疲れ果てても
味方が一人いれば
生きていけるもんだ
私が 味方になるから
思い通りに生きなさい」

とにかく。
主人公2人名演が光る。
ゴウン様。特に、凄いと思ったのは、
初めて絵を褒められた時の、ウンジュ
「本当に、うまく描けてます?」と確認する所は、
痺れる演技でした。

初めて、自分が認められた瞬間の、驚きと嬉しさと、
にわかに信じられない感じが、非常にうまかった・・・・!

ヨジョン様、目の演技が素晴らしかったです。
塗って貰った日焼けクリームのように、ウンジュの顔に絵の具を
塗るシーン、素敵でした。
ヘジンとの想い出ではなく、ウンジュとの想い出を、
しっかりと記憶に残しているんですよ。

済州島の景色と、ウンジュの描く絵が、
とにかく優しくて、
すべての真実や苦しみを飲み込みます。
家族でなくとも、愛は偉大で。
愛があるということ、味方がいるという事は、
何事にも代えがたいものだと感じさせてくれる秀作です。
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