桃龍

ミス・サイゴン:25周年記念公演 in ロンドンの桃龍のレビュー・感想・評価

5.0
2017-03-12記。
松浦あや似のヒロインに柳楽優弥に似た許婚と、日本人にも親しみやすい配役。
早世した本田美奈子の日本版を見たかったが叶わず、まず映画化に感謝。
世界で唯一アメリカに勝った国の、しかしその犠牲となった女性のストーリーは、涙涙また涙。
アオザイなどの衣装も、音楽やダンスも、期待以上の素晴らしさ。
ミュージカルとして『レ・ミゼラブル』に並ぶと思うし、『ラ・ラ・ランド』が薄っぺらく感じる。
なぜこれを全国で公開しないのか分からない。

2022-09-24追記。
昆夏美がキムを演じる名古屋公演を生で見た。
小さくて華奢な昆ちゃんが全力で歌う姿に鳥肌。そして涙。
東京公演では高畑充希がキム役で、TVで歌ってるところを見たが、俺は昆ちゃんの一所懸命な感じが役に重なって好き。
狂言回しの市村正親も、73歳とは思えない歌とダンス。
やっぱりナマはいい。

このミュージカルは、長崎を舞台にプッチーニが創ったオペラ「蝶々夫人」がベースになっていると、今更ながら知った。
そういうことか。蝶々さんは武士の娘だから、あのラストは腑に落ちる。
知らない人は、市川森一の小説「蝶々さん」を読むといいよ。宮崎あおいのドラマもある。
ベトナムに武士はいないが、キムの覚悟は通底している。
桃龍

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