実に哲学的なお話であることが、映画として難があるものになっている。
テーマ、言いたいことはわかるのだが、
あまりにも直接的というか、どストレート
人間のエゴを表現するには、静寂すぎる。
やろうとしていることもわかるし、努力もとても伝わる。
けれど、どうにも強いものを感じない。
映画としてのジャンルというか
目的がはっきり見えてこないのは、
着地点を原作とは別のところへ置くことに
重点を置きすぎてしまったのではないだろうか
どこか本来のテーマを忘れてしまっているかのように思える節がある。
そのため、途中、中途半端な古典的ホラーから抜け出せず、
間延び感が否めない。
配役に問題があったとは言わないけれど、
感情移入ができなかったのは事実。
なぜ『哀れみ』でなく『愛』なのか
それは『愛』ではなく『哀れみ』なのではないかと
あまりにも難しすぎる感情設定についていけない
おそらく原作では夫妻(特に妻ノーマ)の感情の変化、、
(いや成長というべきか)はそれほどないのではないかなと・・
欲望、期待、不安、恐怖、、そんなものを盛り込みすぎた結果
一つ一つの感情が深みを帯びていないのかな
欲望の代償を考えさせられるのはよくあることですが、
ボタンというものは、とてもおもしろいですね。
常に人間は選択の自由を突きつけられて生きている中で、
わかりやすいこのボタン
設定と軸になるべきテーマはとても魅力的ですが、
古典な原作をいじろうと奮闘としたのがマイナスな印象
とどのつまり、とっちらかった印象です