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運命のボタンのstanleyのレビュー・感想・評価

運命のボタン(2009年製作の映画)
2.5
実に哲学的なお話であることが、映画として難があるものになっている。 
テーマ、言いたいことはわかるのだが、 
あまりにも直接的というか、どストレート 

人間のエゴを表現するには、静寂すぎる。 
やろうとしていることもわかるし、努力もとても伝わる。 
けれど、どうにも強いものを感じない。 

映画としてのジャンルというか 
目的がはっきり見えてこないのは、 
着地点を原作とは別のところへ置くことに 
重点を置きすぎてしまったのではないだろうか 

どこか本来のテーマを忘れてしまっているかのように思える節がある。 
そのため、途中、中途半端な古典的ホラーから抜け出せず、 
間延び感が否めない。 

配役に問題があったとは言わないけれど、 
感情移入ができなかったのは事実。 

なぜ『哀れみ』でなく『愛』なのか 
それは『愛』ではなく『哀れみ』なのではないかと 
あまりにも難しすぎる感情設定についていけない 

おそらく原作では夫妻(特に妻ノーマ)の感情の変化、、 
(いや成長というべきか)はそれほどないのではないかなと・・ 
欲望、期待、不安、恐怖、、そんなものを盛り込みすぎた結果 
一つ一つの感情が深みを帯びていないのかな 

欲望の代償を考えさせられるのはよくあることですが、 
ボタンというものは、とてもおもしろいですね。 
常に人間は選択の自由を突きつけられて生きている中で、 
わかりやすいこのボタン 

設定と軸になるべきテーマはとても魅力的ですが、 
古典な原作をいじろうと奮闘としたのがマイナスな印象 

とどのつまり、とっちらかった印象です
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