西木寸

天才バレエダンサーの皮肉な運命の西木寸のレビュー・感想・評価

4.1
この人でなしが!!!

東京国際映画祭にてロシア映画。
失礼ながら、こんなにもルックがリッチな映画が、ロシアにあったのかと...
これは面白い!

元天才バレエダンサーの主人公。
ある出来事を機に、表舞台から姿を消して、バレエ教室やドラッグストア等を経営しています。
傲慢で利己的。
立ち振る舞いがまさに王様。
感情移入できる余地のない嫌な奴ですが、笑いになるほど魅力的でもあります。
そんな彼が「一日」の終わりに病気である事が判明します...

第一部の「一日」で、非人間的な王様の日常が見え、
第二部の「一週間」では、横暴さの中から、天才ゆえの弱さ、恐れが垣間見え、
第三部の「一ヶ月」で、止まっていた彼の物語を進め始めます。

今、この瞬間だけが自分で、追悼番組のように他人が表現する薄っぺらな姿なんてくだらない。
どう見られるかではなくどう生きるか。
彼の人でなしっぷりは共感できませんが、少なからずたどる足跡は普遍的。

映像の変化が面白い!!
西木寸

西木寸