このレビューはネタバレを含みます
登場人物の多さと謎の手がかりから答えを導くところが少し強引にも感じたが
それは他の誰にも変えられない世界的な名探偵ポアロの頭脳があったからということにして…
この作品の魅力は
終盤、ポアロが乗客全員を集めて罪の真相を話すシーンにあると思った
世の中には善と悪しかないと
すべてのもののバランスを取らないと気が済まない性格の持ち主であるポアロが
犯人の思いに触れ 自分の信念との狭間で白でも黒でもない答えを出す
列車を降りるシーンでは
乗客全員が浮かない顔をしている
それは自分たちの行いがバレるという恐怖ではなく
正しいとした行動が
法律の元では罪になるということを自覚している顔のように思う
ポアロも乗客たちと共に罪の一端を背負い
罪悪感と共に生きていくことを決めた
一概に悪い奴が殺されてよかったね
殺されて当然だよね
なんて言葉が言えないような
悲しく切ない物語