きよみず

ビッグ・ビッグ・ワールドのきよみずのレビュー・感想・評価

ビッグ・ビッグ・ワールド(2016年製作の映画)
4.6
東京国際映画祭2本目、トルコ映画。

血の繋がりもわからない兄妹が、罪を犯し森へと逃げ込む映画。

寓意を込めたわけではなくオープンに作ったと監督は言うものの、見ている側はそれぞれに意味を見出そうとするわけで、それは見ている側の文化、宗教、環境、教養次第で、受け取り方は幾らにでも広がる。

聖書のアダムとイブを連想する人、ヤギを見て悪魔の象徴だと連想する人もいれば、川を渡ってたどり着く先があの世だと連想する人もいる。
父と母、何かを探して同じように森に入った人たち、象徴的に映し出される虫や生物たち。特に水牛は偶然撮影できたというのは、そんなことがあるのかレベルだったが、ただただ魅入ってしまう映像、世界だった。
印象深いシーンは多々あるが妹の出血シーンの原因を描写しなかったことが、一味違う気がする。
仮に劇場公開が決まっても、これだけ大きいスクリーンではやらないだろうから、今回観れたのはデカい。

ラストの結末は、悪魔の子が起こした罪への因果応報か。
観終わって時間がたって消化できてくると、あの結末は当然のように思えてくる。
きよみず

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