籠

ブルーム・オブ・イエスタディの籠のレビュー・感想・評価

3.9
東京国際映画祭11本目

ホロコーストという負の遺産を背負い続ける第3世代の人々を軽快なテンポで描いたことに新しさを感じた。ホロコーストの加害者と被害者の子孫たちの話をラブロマンス仕立てにタブーを恐れず挑戦しつつラストで未来への希望を感じさせる。

上記のまとめを仕上げるのに苦労した末に各賞を獲得しているが今の処は配給は未定だ。
「4分間のピアニスト」でクリス・クラウスは手腕を発揮しているので新たな発見ではないが一貫してドイツ国内の難しい問題に取り組んでいて今回はコメディ仕立ての中でユダヤ人の描き方含めてタブーを浮上させている。ラストの偶然が効いていて未来への希望を感じさせたのだがすべてはこの撮影でドイツ語をマスターして自身の魅力を振りまいたアデル・エネルに尽きる。
果たしてドイツ国内の反響はどうだろうか?日本での先駆けた評価がプラスになることを願います。
籠