Mackey

台北ストーリーのMackeyのネタバレレビュー・内容・結末

台北ストーリー(1985年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

経済成長する台北を背景にそれにうまく適応仕切れない主人公2人とその周囲の人々が描かれていた。
『牯嶺街少年殺人事件』と同じように、台湾の当時の情勢と登場人物の物語が重なって、その頃の空気感を切り取られている。
結婚やアメリカへの移住を望むアジンと、結婚も移住も「万能薬」ではないと語るアリョンの関係性に、当時の経済成長期の台湾の戸惑いのような空気感が感じられた。(アリョンは結婚や、アメリカ・日本への渡航の経験があるのでどちらかと言えばそれらに対して悲観的に描かれているけど)
最後のアジンの姿とアリョンの不在は、実際の台湾の選択(経済成長を受け入れて成長していくこと)と、それによって失われたものを感じさせる。

『牯嶺街〜』でも思ったけど、時々挟まれる情景や建物のシーン(机の上で動くおもちゃや夜の建物など)にすごい引き込まれる。ハラハラ・ドキドキさせられる没入感とは違った、急に画面に引き寄せられるものを感じる。その空気感が物語の実在感にも繋がってると思う。

アリョンがアメリカについて話すシーンで背景にマリリン・モンローのカレンダーがあったり、アジンの部屋に男性の腕が女性を支えるバレエ?のポスターがあったり、その辺はシーンとの絡め方が思ったよりストレートでわかりやすかった。

事前に原題の意味(『青梅竹馬』、幼馴染)を調べていたので、変に混乱せず見やすかった。
Mackey

Mackey