みささん

サーミの血のみささんのネタバレレビュー・内容・結末

サーミの血(2016年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

思ってたしんどさと違って、「共感性羞恥」ってやつがやばかった。それがめちゃくちゃしんどい。
美少年に恋をするんだけど、たぶん彼女は誰でもよかった。パーティに誘ったのは彼かわからないし、とにかく自分を女として、人として扱ってくれるひとが欲しかったんだと思う。その過程のキスやセックスだったんじゃないかな。彼に本気で恋してたわけではなく。
彼も、①サーミだと気づいてない。②気づいてた上で「人類学的に」興味があり、近づいた。③何でもいいから女好き、など色々考えられる。たぶん②かな?打算的な関係だった。
「頭が固い」世代とは違って、教養ある若者は彼女を招き入れるけど、どことなく浮いてる人への、心の中の差別って消えないよね。サーミ・民族差別に関わらず、身近でも起こりがちなこと。だから、より共感というか、自分ごとに置き換えることができて、見るだけですっごい恥ずかしくて、しんどかった。まじで。現代でも差別は続いてるし、誰も彼女を救ってくれないし・・・。文化って何なんだろうって考える。スウェーデン人としての彼女はクリスティーナを丸パクしてるだけだから、本当に教師だったのかもわからない。息子と孫がいる以外、何も明らかにされないんだよね。息子と孫だけが救いか。
サーミとして生きるか、サーミを捨てるかの2択しかないし、捨てたとしてもずっとそれに縛られることになる。別に彼女は悪くないのに、それが「サーミの血」なのかな、と思った。
(監督のインタビューみたら「羞恥心」「人種差別の抑圧」がテーマって描いてた。納得)
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