塩湖

プールサイドマンの塩湖のレビュー・感想・評価

プールサイドマン(2016年製作の映画)
4.5
これぞ映画。渡辺紘文版『エレファント』だ。追いかけられる背中、夜な夜な眼鏡ごしにパソコンを見る目、プール監視員たちの談笑の輪から不意に離れてフレームから外れる身体にたいして「もしかしてこの人…」といよいよ思わずにいられなくなるマジックに翻弄されつづける。水原と乗る車内で監督が展開する一人喋りの内容に時々心の中で抱腹絶倒した。しかしその、バックに流れ始める大げさな音楽にも抗いながらの「寡黙と饒舌のぶつかり合い」はたしかに良からぬことの前触れのようである。いや、やはりそれはユーモア溢れるクッションか。結局そのどちらに触れるかが不明瞭な感じが怖い。色々が起きた、あるいは起きなかった果てにあるあの終わり方のチョイスは天才。
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