堊

パチンカー奈美の堊のレビュー・感想・評価

パチンカー奈美(1992年製作の映画)
3.8
冒頭のカクカクズームと荒野に積み上げられたパチンコ台にぴこぴこサウンドでバイブステンアゲ。パチンコ店内は轟音に包まれているからこそ、顔を近づけあえば二人だけの空間になり、二人だけにしか聞こえない音が発生する。会話が成り立つはずがないからこそ好きな音が鳴らせる。スプリットスクリーン、大森一樹版『風の歌を聴け』以来の床に拡がった海、ダンス!バイオリン!コイントス!
静寂のパチンコ店を上下左右に動き回るカメラ。ほとんどビッグ錠の世界なんだけど、妙に格調高い。『妖女伝説'88』にも近い雰囲気の雑誌編集部を取り仕切る編集長黒沢清の演技も必見。
堊