spica

立ち去った女のspicaのネタバレレビュー・内容・結末

立ち去った女(2016年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

長かった。見るとすれば今しかないと思って見た。
冤罪で30年も刑務所に入っていたということで、最初から感情移入は拒否された。
淡々と彼女の行動を追っていく。社会の底辺で暮らす人たちと知り合い、彼女は親切に優しくその人たちと接する。心の中には復讐心に燃えていて、殺人も辞さないつもりなのに。
自分が助けた人が恩返しに、黙って殺人をしてくれた。もともと彼女に感情移入できていないから、その時の気持ちも考え込んだりしない。
「因果応報」とか「情けは人の為ならず」とかでまとめてしまってはいけないと思うけど、まあそういうことだった。
復讐を果たしてもらって彼女は幸せになれたのか。
撒き散らされた息子を探すビラの上をずっとずっと回り続けるラスト。
彼女のこれからも同じ調子で見ていたい気がする。他人の人生の観察を、感情込めないまま、していたような映画だった。
spica

spica