ずっと食わず嫌いだったラヴ・ディアスを初めて見た。ひとまずこういう理由で長いのかというのは納得した。
納得理由としては、これはVRに近いものなのだと思う。話はノワールというか、タランティーノのキルビルみたいなもので、そういうほとんど荒唐無稽な犯罪小説的内容を1シークエンス1ショットの長回しでやるから丁寧だがかなり強引にリアリティを捏造している。ハンガリーのラースロー・ネメシュとかとやっていることは近いと思う。
それでやはり、長いこと自体は許せなかった。
終盤、薪をするおかまたちが殺人によってもうここには帰ってこなくなったホランダのまねをして「サンライズ、サンセット」を歌っているシーンが良かった。ホランダはもう戻ってこないけれど、彼(彼女)がそれをかつてしていたことをみんなが知っているのだ