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監獄博徒のmitakosamaのレビュー・感想・評価

監獄博徒(1964年製作の映画)
3.6
東映 Xstream のYOUTUBEから。いやぁ、これは面白かった!

日清戦争終戦後の監獄が舞台。九州の三池監獄に新入りが数人入る所から始まる。その中の一人に若き山城新伍。
入所していきなり先住者からケツを貸す親子関係を強要される(笑)山城新伍のケツがチョメチョメされるんやな(笑)

三池監獄では囚人らが、九州と大阪の2派閥に分かれている。大阪側囚人のボスが鶴田浩二。九州側囚人のボスが大木実。この2派が常に対立し一触即発。そんな中で炭坑堀の労働が課されているというシチュエーション。

もう設定から面白い!
そして娑婆でも、下関でヤクザ同士の遺恨が。山城新伍の所縁の組は女組長(高千穂ちずる)がライバルの組に嫌がらせを受ける日々。

ムショ内では大阪と九州とで争っているが、脱獄騒ぎと失敗と色々あり、二組は和解する。
鶴田浩二演じる大阪のボスに九州のボスも惚れ込み義兄弟に。今作の一番良いシーンだ。
お互いの血を吸い合うのって、仁義無き戦いの文太・梅宮より随分前にやってたんだな。

娑婆では山城新伍の彼女で女組長の妹分が、敵組織に捕まり手篭めにあった挙げ句に殺害される。
この手篭めのシーンがスゴいセンスだ。悲鳴とともに春画がカットインする演出!

自暴自棄になった山城新伍に、炭鉱内の落盤事故。
救出劇により鶴田・大木の両ボスは仮出所するが高千穂女組長の争いに巻き込まれる。

戦前の荒々しいムショ内の描写も面白いし、ムショと娑婆で同時進行で進む物語も実に構成が上手い。
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