ネノメタル

THE BATMAN-ザ・バットマンーのネノメタルのレビュー・感想・評価

4.5
【3つのコントラスト】
❶まずは不穏なトーンを引きずりながらも底辺から湧き上がる怒りに満ちたあのNirvanaの名曲『Something In The Way』の世界観をさながら具現化したようなゴッサムシティ。
次にこの曲と相反するように流れるある荘厳な曲との対比がすごく印象深くてそれだけでもこの映画に触れて良かったと思えたほど。

❷その対比と符合するかのようにパンフレットの色からエンドロールなどのクレジットのカラーまで全編に渡って赤と黒で覆われたビジュアルイメージもコントラストにひたすらカタルシスを覚えるほどカッコいい。(ちなみに本編とは関係ないが、初期からの「BABYMETAL」を好きな人はこの色合いにひたすら共感を覚えるかも。)

❸そしてそして、両方とも凛とした佇まいながらもどこか瞳の奥に悲しみの色を隠しきれぬと言う共通項を持ちながらも内面のナイーブさとは別に強固な肉体とボディースーツに覆われたBatmanと野獣のようなしなやかさと美しさとが同居するCat womanのキャラクターの織りなすコントラストにもハッと息を呑むほどである。

以下色々言うとコンテンツに触れてしまうので割愛するが、そんな彼ら2人が徐々に惹かれ合い絶望に瀕しつつも苦悩して、葛藤する姿がもう死ぬほど狂おしくも美しいのだ。

この、3時間という長丁場映画だったが、体感時間は80分ぐらい。全くダレることもなかった。

実は私はDC系の作品はWonder Womanが関連するものしかガッツリ観てなくてこちらのバットマンに関しては『Justice League』ぐらいしか認知してないんだけど、それでもこれだけ惹きつけられた面白いのは凄いと思う。
ここ最近アメコミヒーローですべてのシリーズを見た人向けみたいな内輪ウケ傾向にある作品が結構多いから尚更そう思ったかな。

ネタバレと関係ない感想言うと「孤独な迷い猫」“新キャットウーマン”ゾーイ・クラヴィッツの英語声のトーンとかめちゃくちゃ聞き取りやすい、てか主役が終始ボソボソ口調だからそう思うだけかもしれません(笑)
あと断然カーチェイス系のアクションシーンとか超高層ビルから見上げるシーンなどの迫力が桁違いだと思うのでIMAXなどの高度な技術に対応した映画館で観ないと逆に損だと思う。

あ、そうそう、あと「エンドロールが来た。」と思ってすぐに帰ってる人何名か居たんだけど、最後の最後まで粘った方が無難だと思います(笑)
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