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THE BATMAN-ザ・バットマンーのpenのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

そういえばそうだったなと思ったのは、バットマンが警察と協力する部分が描かれているところである。もちろん反感を持つ一部の警察官は登場するが、ゴードンの手引きによってバットマンは殺人事件の現場に足を踏み入れ、事件の調査を進める。バットマンは"闇の探偵"と呼ばれる面も持っているので、こうした部分もちゃんと描いてくれて良かった。

一方で、マスクを身につけているからといって必ずしも正義のヒーローとして最初から存在している訳ではなく、むしろヴィラン(今回ならリドラー)との境目が曖昧であるというのも描いていた。ポール・ダノ演じるリドラーの出自や、幼い頃に居合わせた場所によって、彼とブルース・ウェインと近似した面を積極的に提示していく。そうした提示が積み重なっていったからこそ、バットマンがマスクを付けながらも他のヴィランとは異なるところ、闇の中で光を灯す存在であるということが際立っていたと思う。その過程で同じくマスクを付けるセリーナ・カイルや、マスク無しでも自らの欲望に忠実なペンギンとの関係とやり取りのリアクションによって、バットマン=ブルース・ウェインの繊細な面・危うい面をしっかりと見せていた。

中々リドラーの尻尾が掴めない展開が続く為か本編時間も長くなっていく。また、別のストーリーの進展させる必要がある為に一旦リドラー関連の話が止まったりとか。ある事件・事実へのリアクションによってブルース・ウェインとは何者かを描こうとするにせよ、やはり少々長くなっていた印象は否めない。じゃあどこを削るのかという話にもなってくるのだが。

ゴッサムシティの描き方は暗闇が多く降水量も多い、ノワールな街に仕上げていて良かった。街が汚いというのは特異な世界観を作り上げる一つの要因でもあると思う。

続きも観たいが、まだ先は長そうなのでゆっくりと待つことにしよう。
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