EDDIE

THE BATMAN-ザ・バットマンーのEDDIEのレビュー・感想・評価

4.3
知能犯リドラーと対峙する中で生きる意味を見出しバットマンとしての強さを身に付けるブルース。3時間は冗長にも感じる部分もあるが謎解き要素と圧巻のカーチェイス、ブルースの心情変化など世界観に浸っていたい気持ちにさせられた。

〈ポイント〉
・ノワールサスペンスとして進行するダークでシックな世界観が最高に良い
・パティンソンバッツは史上最高級に泥臭くてカッコいい
・謎が解消して次に進むRPG的な構成は次どうなる⁉︎とワクワクすること請け合い
・とにかくリドラー役のポール・ダノの怪演がハンパない
・ゾーイ・クラビッツのキャットウーマンも凄くカッコいい
・ペンギン役のコリン・ファレルのなりきり具合
・つまり役者陣は最高!
・まだバットモービルというには頼りない車などバットマンの道具のガジェットが良い
・3時間の長尺は特に後半がちょっとダレる

〈雑感〉
3月最も楽しみにしていた作品と言っても過言ではない『ザ・バットマン』をドルビーシネマで観てきました。
とにかく雨が降りしきるゴッサムシティは全体的にダークで暗い雰囲気なので、ドルビービジョンが最適。一切見づらいシーンはありませんでした。

まず冒頭から一気にゴッサムシティの世界観に引き込まれます。
犯罪者が蔓延るゴッサムシティ。バットシグナルが犯罪者に与える効果もめちゃくちゃ説得力ある形で演出。
意外にも重みのある動きでバットマンを演じたロバート・パティンソンは歴代最高級のハマり具合でした。マイケル・キートンもクリスチャン・ベールもベン・アフレックもいずれのバットマンも好きなんですが、個人的にピカイチの雰囲気を纏っていました。
特にバットマンとして2年目とまだまだ青さもあるブルースなので、その荒々しさやまだ警察からも信頼を勝ち得ているわけではない状態など、そのポテンシャルを感じさせてくれる存在感でした。

見どころは多くの方々が語っているであろう中盤のカーチェイスでしょう。物語としてのピークもここに向かって高められていた気がします。
一方、後半は少し中だるみを感じざるを得ませんでした。前半は丁寧に謎解きの探偵ノワールとして機能していた分、リドラーとバットマンが対峙してしまうとそれまでのワクワク感が同様には追体験しづらくなります。
ただ、最後の最後クライマックスのアクション展開やバットマンとしてブルースが進むべき道を見つけたかのようにある行動を起こすシーンなど、とても良かった。
クライマックスで少し下がりかけた気持ちがまた一気にボルテージアップしました。
セリーナとの関係性はもう少し深掘りしてもよかったかなぁ。例のシーンがちょっと唐突だと感じてしまいました。

それでももう一度この世界観に浸りたいと思わせられたし、続編があるなら絶対に観に行きたいと思うぐらいには気持ちが高まったので、このスコアになりました。

というか一番私が評価しているのはバットマンの復讐とリドラーの復讐という同じような目的を対照的に映し出し、そして異なる方向に進んでいった過程と結果。
他のスーパーヒーローと違い、バットマンはスーパーパワーを持っているわけでなくあくまで普通の人間。そんな人間くささや弱さを見せながらも希望を見せてくれた展開に思わず拍手したくなる内容でした。

年間ベストに残るかは厳しいところですが、上半期ベストは期待できる作品でございました!

〈キャスト〉
ブルース・ウェイン/バットマン(ロバート・パティンソン)
セリーナ・カイル/キャットウーマン(ゾーイ・クラビッツ)
ジェームズ・ゴードン(ジェフリー・ライト)
リドラー(ポール・ダノ)
アルフレッド(アンディ・サーキス)
ペンギン(コリン・ファレル)
セカーマイン・ファルコン(ジョン・タトゥーロ)
ギル・コルソン検事(ピーター・サースガード)
男(バリー・コーガン)

※2022年新作映画42本目
※ドルビーシネマにて
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