うみぼうず

THE BATMAN-ザ・バットマンーのうみぼうずのレビュー・感想・評価

4.5
重厚感・ダークさ×俳優×主題(の変化)でそれぞれが組み合わさりめちゃくちゃ面白い作品だった。公開日当日のレイトショーで観に行き、日付が変わる直前まで…3時間は長く、冗長だったりそのわりに謎解きの奥行きが少し不完全燃焼気味だったりでその点での物足りなさは残る。

EDMのベース音響く中での会話やや暗闇での銃撃格闘、そして民衆を導く自由の女神のような構図など、印象に残るシーンが非常に多い。

バットマンでなくとも成り立ちそうなサスペンスであるものの、テーマの根幹にはバットマンありきで、善悪二律背反というよりも悪→悪の影響と循環、そして新たな自我の萌芽までバットマンの存在が必要不可欠。静かな自省。復讐からの脱却。だからこのタイトルなのかなと。
ヒーローになるまでの物語で、既存のアメコミ映画とは一線を画すものだけど、ハードボイルドな雰囲気と絵作りがとても好み。
バットマンてけっこうシリアスな笑いがあるなと個人的に思っていて、本作もバットマンの無敵さよりもあくまで人間としてのバットマンが描かれて。完全無欠なヒーローでなく葛藤があるからこれだけ魅力的なんだろうなぁ。

ロバート・パティンソンはなぜかリドラー役だと思って観に行っていて(それぐらい前情報無し)、でも陰しかないブルースと、目だけで様々語るバットマンとを素晴らしく表していた。あのバットマンは確かにFREAKと呼ばれるよな。
ジェフリー・ライトも良かった。主演を食うほどの存在感ではないが、作品の中でのバランサーとして前作シリーズとも比肩する印象。

ゴッサムの荒廃具合はどんどん悪化してるな…あんな街には住みたくない。これも三部作とのことで、これから先の展開にも楽しみ。バリーコーガンのジョーカーはサイコ感凄そうだな〜。
うみぼうず

うみぼうず