ふっくー

THE BATMAN-ザ・バットマンーのふっくーのレビュー・感想・評価

4.3
復讐者から本当のヒーローへ。

原点回帰のシリアスバットマン降臨。
今作はブルースウェインがバットマンとして活躍しだした2年目の世界線を物語としている。ホアキン・フェニックス主演の「ジョーカー」とは話の繋がりもなければ、クロスオーバーもしないが、なかなか近いものがある。(日本の宣伝で「ジョーカーの衝撃は序章にすぎなかった」とかいう煽り文句の宣伝はどうかと思うが)
個人的にバットマン映画で最高傑作はノーラン版「ダークナイト」なのは変わらないのだけど、今作もなかなか好きな部類でした。
派手さはないけれど、めちゃくちゃ社会派で、ダークシリアスな展開であり上映時間がてんこ盛りの3時間なので、こういった作風に慣れてない人は瞼が重くなってしまうかも。自分は眠くなるポイントは全くなくて、あっという間に感じましたけども。

ポスターが遠目から見ると、リドラーにちなんで白い「?」が浮かび上がる粋なデザインで最高ですね。

「バットマンフォーエバー」でジムキャリーがポップに演じた以降映画に登場せず、ノーラン版で登場が期待されていたが、ノーラン自身が
「このヴィランを表現するには、自分では上手くできない」と諦めたと言われているスーパーヴィランのリドラーを今作はポール・ダノが演じた。ベインや、ミスターフリーズとは違い武闘派ではなく、ジョーカーと同じく知能派でバットマンを追い詰める凶悪さは、PS4のゲーム「アーカムシティ」でも健在で彼のなぞなぞのサブミッションまじ難しかった苦い思い出があるヴィランです笑。
圧倒的強さがあるわけではないので、これまた人間味溢れるヴィランですね。

そして今回はヴィランとゆうより中立的(と言ってもリドラー側にはほとんど関わりないけど)なポジションだったオズワルドことペンギン。エンドロールまで全く気づかなかったけど、これコリンファレルなんですねwwwww
特殊メイク凄すぎるwwww

今までのバットマン映画はブルースウェインが表では大富豪であり、裏の顔はバットマンとゆう葛藤や、ブルースの私生活と並行して描かれていたが、今作はブルースウェインとゆうよりバットマンとしての物語がメインになっています。
今まで以上に生身の人間を感じることが出来るバットマン像でしたね。
高所から飛び降りるのをあんなに怖がるバットマンは斬新です。
アルフレッドがMCUでも大活躍!?なアンディサーキスだったのは笑えました。

SNSで生配信しながら、闇を暴き苦しめていくリドラーなんかは現代ぽくてなかなか恐ろしいですね。
終盤にアーカムにて、隣の監獄から不敵な笑みを浮かべながら、リドラーになぞなぞを出す彼は間違いなくジョーカーでしょう。

最近のDCコミック映画の中では「ジャスティスリーグザックスナイダーカット」並の見応えがあり、なかなか満足でした。
治安が悪すぎて「絶対に住みたくない街ランキング」不動の一位を守り続けているゴッサムシティ←個人の感想です笑
そんなゴッサムが終盤にあんなとんでもない災害に巻き込まれるなんて初めて見たよ笑。
今作も治安の悪さはトップクラスに狂ってたので逆に安心しましたよ。

最初は「復讐者」としてのバットマンだったブルースが、最後は「ゴッサムを守る闇のヒーロー」として人々に手を差し伸べ、心の変化が変わっていく様はなかなか痺れます。

エンドロール後の
「GOOD BYE [?]」
もリドラーらしくて好きです。
ふっくー

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