《隠された真実と、復讐の狂気。》
クリストファー・ノーランがダークナイト三部作を撮り終えてから、
単品のバットマン作品はありませんでした。
『ジャスティス・リーグ』のバットマンも必ず誰かと一緒でした。
もしかしたらそのくらいバットマンだけでやると言うのはプレッシャーがあるのかなと。
特にあの『ダークナイト』の後なら尚更。
更に今回は『ジョーカー』の後。
この作品でバットマンを応援しにくい空気を作ったのでどうなるかなと。
そんなこんなで完全にゼロから始まった新生バットマン。
今までとは全く違う切り口で新たなバットマン像を作り上げていました。
とにかく本作は上質なサイコスリラーとして観れる作品。
狂人リドラーの仕掛けるデスゲームは『セブン』や『SAW』のような雰囲気でとてもアメコミ映画とは思えない。
そのサイコスリラー要素だけで十分映画として成立しているので、
バットマンがいるかこれ?と思ってしまうほど。
ただバットマンはバットマンで物凄く良い雰囲気でした。
シリーズ通してバットマンはダークな雰囲気ですが、
本作は中でも最もダークでバイオレンスだったんじゃないかと。
敵に対してもスマートに戦うことはまるでなく、終始ぶちギレてるような感じでした。
アクションシーンもリアリティー重視で特にペンギンとのカーチェイスが一番好きでした。
追いかけるバットマンの映像は映さずに、終われてる側の映像だけなので、とにかくバットマンが怖い怖い(笑)
本作はポール・ダノのリドラーがとにかく最高のサイコ。
イッてるヤバイやつ感がとにかくビンビンに出てて、
ジョーカーとはまた違う狂気を出していました。
キャットウーマンもよかったはよかったけど、あのニット帽?はどうにかならなかったのか?(笑)
『ダークナイト ライジング』で猫耳を無理なく見せるアイデアに驚いただけに残念でした。
続編あるなら続編の方がだいぶ面白そうな気がします。
新しい世界観のバットマンが広がってくれるならそれは楽しみです。