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THE BATMAN-ザ・バットマンーのudaskywalkerのレビュー・感想・評価

3.9
3時間弱の長尺なので、鑑賞前にお手洗いに行っておくことをオススメします。笑

バットマンは過去に様々な作品が作られてきましたが今回はいかに、期待と不安を胸に映画館へ。個人的には『ダークナイトトリロジー』や『ジョーカー』のようなリアル路線な雰囲気が好みです。

今作では既にバットマンの存在が知れ渡っているゴッサムシティ。バットマン誕生から2年後を描いているそう。常に雨が降りスラム街と化していて、ゲーム『バットマン:アーカムナイト』の街に雰囲気は似ている気がします。暗闇から突然バットマンが襲ってくるのではないかという恐怖がガンガン伝わってきました。

ふと違和感。ゴロツキを成敗している場面を見ていて、頭蓋骨陥没で死んでしまうのではないかというくらい殴り倒します。倒した後も殴り続けます。そこで一言「俺は“復讐”だ」と。今回は圧倒的に闇落ちバットマンでした。
殺害された両親の復讐のために行動するバットマンは、夜行性で社交性もなくなり警察からもケダモノ扱いされています。

メインヴィランは知能犯リドラー。
原作や過去作ではポップな印象ですが、地味なマスクとたまにヒステリックになるサイコパス感がいい雰囲気を出してました。
リドラーは殺害現場にバットマンへの手紙を残し、それを解かせて自らの完璧に計算された計画を進めていきます。今作がアクションというよりサスペンス寄りなのは、ヴィランがリドラーだからこそで、他のヴィランであれば戦い方も変わってくるはずです。謎解きの途中でペンギン・キャットウーマン・ファルコーネなどファンには嬉しいキャラとも絡むことになります。重圧な3時間映画になったのは、それぞれのキャラもしっかりと深堀されていたことも理由のひとつです。

アクションシーンやガジェットに関しては、正直物足りなさを感じました。まだバットマンになる成長過程と思えばなんとか納得できますが、『ダークナイト』のようなハイテク感やかっこよさには劣ります。この点は続編に期待です。

クライマックスはマーベル作品のように敵を倒したらすぐハッピーエンドとエピローグとはせずに、それぞれのキャラクターをしっかり描いて締めくくりました。それぞれ進む道が別であってもいいのです。州兵と協力して救助活動するバットマンはあまり見たくはありませんでした。ゴッサムの市民からのリスペクトという形で正義を表してほしいと思います。

続編にはアーカムアサイラムの狂った囚人も登場しそうなので楽しみがひとつ増えました。

〈good bye〉
〈?〉
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