KnightsofOdessa

THE BATMAN-ザ・バットマンーのKnightsofOdessaのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[名探偵バットマン、掌で踊る] 60点

長い。ちゃんと150分くらいは感じる。バットマン=ブルース・ウェインの病的な部分が煮詰まったようなパティンソン=バットマンは、アルフレッドすら遠ざけ、ゴードン警部補が来てくれるまでライトのとこで待ち続けるほど孤独であり、両親の残した街を両親の理想通りにすることで両親の無念を晴らそうという思いに取り憑かれている。"私は復讐だ"というセリフは象徴的だ。しかし、バットマンには許されることは他の人物では許されるのだろうか?マスクを被ったリドラーは多くの点でバットマンと共通しているが、このバットマンが生み出したと言っても過言でない犯罪者はバットマンとどこが違うのか、3時間かけてみっちり証明していく。藤四郎なのでリドラーは『ダークナイト』のジョーカーを意識してるんだなぁという印象だが、今回のバットマンは民衆を導き陽光の下に現れるので、正義の名のもとに"象徴"として夜闇に隠れたままだったノーラン版をやっぱり意識してるんだなと確信に変わるなど。

バットマンが着替えて戻って電話を取るまで掛け続けたり、謎解きに手間取っても即既読つけてくれたり、人の言葉を簡単に信じて右往左往したりするバットマンを辛抱強く待ち続け、そこまでしても振り向いて欲しかったリドラーくんの健気さに泣けてくる。クソムズいなぞなぞをバットマンが一瞬で解くので、これは『ホイッスラーズ』の口笛言語に連なる、二人だけにしか分からない愛の言葉なのでは…と錯乱するなどした。ただ、終盤までの"俺の人生を破壊した嘘つきども!"という流れと"どうせこれからも変わんねえよ!ヒャッハー!"がどうも繋がりが悪いし、"無敵の人"化したホワイトトラッシュvs若い黒人女性新市長という図式化しすぎな対立もなんだかなあと。

ちなみに、"ザ"が付いてることを知らずに"バットマン"で検索した結果、大分下にある『ドバットマン』よりも下に本作品を発見した。Filmarksの検索機能は漢字をひらがなにしただけでも検索結果から消えるので面倒で邦題は入れないことのほうが多いが、今回ばかりは笑ってしまった。
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