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THE BATMAN-ザ・バットマンーのSSSのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたスーパーヒーローのリブート作。本作の監督は『猿の惑星』前日譚三部作を務めたマット・リーブス。主演は『トワイライト』や『テネット』で存在感を発揮したロバート・パティンソン。共演はクレイグボンドで頼れる相棒フィリックス・ライターを演じたジェフリー・ライトや既に『LEGO/バットマン』でキャット・ウーマンを声優を務めたゾーイ・クラヴィッツ。

良かった点
・探偵モノとしてのバットマン映画
ジメジメした街中で挑発的に残された手掛かりをゴードンと共に追うバットマンはコミックではお馴染みだが、映画では新鮮に感じて探偵モノとしてバットマンを映画化したと言う意味で違う切り口での映像化成功作品といっても過言ではない。


・ポール・ダノ演じるリドラー
復讐者としてのバットマンに共感したヴィラン。そして彼はスーパーヴィランではなく市井の人としてのヴィランであり、ある意味でブルーズの対局に位置する人間として描かれているのが象徴的であった。

・ゴッサムシティの描写
『バットマン(1989)』ほどコミック調でなく、『ダークナイト』ほど現実的でもないゴッサムシティの描かれ方はリアルなコミックの世界を表現するのに一役買っていった。時期がハロウィーンなのもコスプレ自警探偵バットマンの存在を馴染ませるのに一役買っていたといえる。

・ロバート・パティンソン演じるブルース・ウェイン
プレイボーイでなく世捨て人としてのブルース・ウェインは斬新な切り口であった。アルフレッドに対して「俺の親じゃねーし」と反抗するのもレゴバットマンとは同じであるがパティンソンの雰囲気も相まって厨二病マシマシで本作の雰囲気とマッチしていた。

悪かった点
・前半の雰囲気をぶち壊す派手なクライマックス
リドラーの目的が「世直し」であるなら本作のクライマックスは不要であろう。ただバットマンが復讐者としてでなくヒーローとして生まれ変わるための布石として機能しているので一概に不要とも言えない。

・2時間50分もの長丁場
映像的に決まっている部分もただあるため、全面的に否定はできないがこの内容ならミニドラマシリーズで見たかった気持ちもある。

総評
DCEUから独立した新シリーズとしては文句なしの仕切り直しっぷりである。このあたりはバットマンそのもののIPの強さも関係しているかもしれないが、ここまで攻めた内容で3時間近くの作品を提供できる時点で映画という媒体を信じている製作陣の気持ちを強く感じた。
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