おなべ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのおなべのレビュー・感想・評価

3.6
◉正義と悪、嘘と真実、光と闇…知能犯リドラーが残す“なぞなぞ”によって嘘が暴かれた時、相反する2つの概念が翻る。果たして、光と闇の狭間で揺れ動く正義の行方は──。

◉ゴッサムの街に蔓延る悪を無くすため1人孤独に戦うバットマンは、正体不明の連続殺人鬼〔リドラー〕が残す“なぞなぞ”をもとに事件の真相を追っていた。しかし、巧妙に逃げ隠れるリドラーに苦戦し…。

◉人気DCコミックシリーズ「バットマン」の物語を、《マット・リーヴス》監督が5年の歳月をかけてリブート。3時間弱ある本作は、劇場公開に至るまでに紆余曲折を経て製作された(「幻の《ベン・アフ》ver.」で検索)。

◉ノワール要素強めの謎解きが魅力の本作、アクションにも力を入れていた模様。謎の協力者や次々と襲い掛かるヴィランズの登場により、物語が二転三転してゆく面白さがあった。また、《ポール・ダノ》の狂気的な役柄が印象的。『プリズナーズ』『ルビー・スパークス』でも同様に狂気的な役を演じており、本作の中で1番記憶に残る見事な怪演だった。

◉ただ、全体的にどこか物足りなさが残る。若干頭を使う小難しいストーリー展開、突き抜けないアクション、解き応えのない謎々、心理描写などの深掘りetc…全てにおいてテンションが上がる瞬間・ゾクっとする瞬間が無く、不完全燃焼に終わったというのが正直なところ。

◉加えて、かの伝説的な映画『ダークナイト』と比較してしまう自分がいる。と言うより、『ダークナイト』有りきの評価と言っても過言ではない。《ノーラン》ver.のバットマンの抱える闇や葛藤はもっと暗くて根深く、バットマンもヴィランも脚本も劇伴も魅力に溢れ、全てにおいて非の打ち所がなかった印象。本当は切り離して評価するべきだけど、こればっかりは致し方無し。











【以下ネタバレ含む】












◉この重厚なサスペンスに、キャット・ウーマンとのラブは必要だった⁉︎
おなべ

おなべ