ヨミ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのヨミのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なげーーーーーーーー!!!!!よ!!!!!

ダークヒーローみは強い。でもダークでシリアスなの、ノーラン以降みんなやりすぎて食傷気味よね。長えし。

観ながら「なんて書こうかなー」ってずっと考えて、結局掴み損ねているのだが、柳下毅一郎が「1時間ドラマを3回やっている」と言っていて腑に落ちた。昨今のドラマシリーズ台頭の弊害では???

重厚シリアス路線がダメなのかと言えばそうでもなく、そこに「長大」が付け加わるといよいよ疲れる。ただ、これも指摘されていたが場面を貫く箱庭のなかのフェティッシュさは目に心地よい。ゴス!!!!

影、闇に紛れる悪党が、闇を恐れはじめる冒頭シークエンスはどこかホラー的なニュアンスを伺わせ(まー言うてホラーテイストも流行りですよね)、物語を貫く闇の役割、その表裏一体さが感じられる。
今作全体のテーマカラーは間違いなく「赤」なわけだが、しかし色がどう作用していたかはあんまりわかっていない。色彩設計によって何かを成し得た、という点では『ジョーカー』は達成ではあると思うけども。シリアス路線バットマンってことで否応なしに「黒」が画面を覆うが、個人的には『ダンケルク』フィルム版で観たような、濡れたような漆黒が出るまでやって欲しかった。「黒」の質感はもっといけるんじゃないかしら。

ぼく自身はダークな物語は好きなんだが、こうも全員が全員、常に苦虫を噛んだような表情だと疲れちゃうね。

モチーフとしては「流水」が1番目につく。ずっと雨降ってるし、洪水もそう。でも「赤」と「流水」から連想できる「流血」がほとんどないのよな。レーティングの問題だろうけども。

さて、色々要素が多すぎて掴み損ねているので(面白い気もするのだが、即座に傑作とは言い難い。傑作だと言うひとも割と多いんだよなあ)、また観るべきなんだろうけどな……。観るだろうか……?
ヨミ

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