よしまる

THE BATMAN-ザ・バットマンーのよしまるのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

 ようやく観れたー。かつては3度の飯よりバットマン好きと公言していたのに(どこで?)なぜか今回は腰が重く今ごろに。
 まあこうゆう予感はたいてい当たる。

 結論から言うと、そんなに長いことやる話でもないだろう💦という映画だった。
 普通に楽しめたんだけれど、普通以上を期待してるからこその感想なのでまあまあ酷評になってしまう。気分を害されるとやだって方は読まれない方が良いかと。



 心地よい疲労感ではなく、長くてしんどかったー、という感じ。
 基本的に重く、暗く、地味。ザックスナイダーのそれともまた違う。何よりヒーロー性が無く、華がない。
 おっと、けしてdisりたいのではない。ビジュアルも物語も、抑揚のない、よく言うと初めから終わりまで高品質なドラマ、悪く言うと盛り上がりに欠け楽しみどころがわかりにくい(え、これdisってるっていうのか?)。

 バットマンを知らない人にとっては意味のわからない設定だらけ、知ってる人にはお腹いっぱい。
 いくらこねくりまわしてもウェインの父ちゃんが悪者なら話が成り立たないので必ず裏があると思って観てしまうし、ワンチャン実はホンマのワルという改変をしてまで意表を突いたとしたら、今度は初めからバレバレで悪者然としていたファルコーネの非道ぶりが薄まってしまう。もっとも、そうじゃなくてもそんなに悪い人にも見えなかったのが謎だけれどw

 さらにわからなかったのが セレーナとのキスシーン。タイミングも変だし惚れる理由も謎。最近のハリウッドは白人以外のヒロインとはキスしなきゃいけない決まりでもあるのだろうか。お飾りならお飾りでアンハサウェイの猫耳くらいに無駄にキュートであってほしいところだけれど、スーツも地味、マスクオフが多すぎてスーパーヒロインとしては萌え不足だった。

 そう言えばバットモービルもケレン味に欠けたなぁ。原点回帰のハードトップにしたいのか、スーパーマシンにしたいのか、中途半端に見えた。トレーラーを絡ませたカースタントは斬新で見応えあったし、ペンギンの視線で逆さまでカッコつけて歩いてるのとかは痺れたシーンだけに、暗くてデザインがよくわかんないのももったいない。

 終始警察と絡んでいるのは、コミックス的には珍しくもないのだけれど、ゴードン刑事が力を持ちすぎて悪者揃いのはずの警察内のバランスがおかしく見えたのは脚本の弱さかなあ。途中からほとんどバディものになってしまって、ジェフリーライトお前はロビンかとw

 結局、過去のバットマンのイメージ…軽口を叩き洒落た会話をし、カッコつけながらも意外に弱くて人間臭い…そんなスタイリッシュと泥臭さを兼ね備えたヒーローをまるで受け継がず、地味に悩んで黙々と怒る今回のバットマン像を、新しいと見るか、違和感ととるか、ってところだろうか。

 リドラーのナゾナゾも、まあ解けたからどうやねんという予定調和感がすごく、物語の緊張感にプラスに作用しているようには思えなかった。
 というふうに、観ていて気持ちの良いカタルシスを感じるシーンのないままエンディングを迎える。
 おそらく、この感じが好きな人には全編通して鳥肌の連続だろうし、あんまりという人にはずっと普通なまま終わってしまったのではないだろつか。ボクはと言えば、どちらかと言えば後者、あるかないかと問われれば、無し寄りのアリ。

 ラストはまさかジムキャリー登場?と感激しかけたけれど、どうもジョーカーのようで、続編がペンギン🐧とジョーカー🃏の競演となるとそりゃまあ観るけれどさ。