サトタカ

THE BATMAN-ザ・バットマンーのサトタカのレビュー・感想・評価

4.2
バットマンが1番すごいところは超お金持ちってところで、肉体的には普通の人間が札束&暴力(&知恵)のコンボで悪を討つところがいいところであり、弱いところでもあるんだよね。両親が強盗(今作ではとある裏社会の権力者の差し金)に殺され、悪を憎んでいるというか復讐(avenge=制裁、正義のための復讐)が彼の活動の動機。執事のアルフレッドと暮らしていて、アルフレッドはブルース・ウェインの父親代わりでもある。

ベン・アフレックのゴツすぎ、パワー系すぎるケツアゴ・バットマンにはうんざりしていたので、影のあるロバート・パテインソンへの変更は大歓迎。今回の若きブルース・ウェインが持つ寂しげな眼差し、繊細でシャイで、素直なところなど非常によい。陰キャっぽいのがたまらん。

バットマンがまだ正義のバットマンとしてゴッサム市民に認知されていない状況というのもあって、バットマンがかなりキモくて怖い存在として描かれているのはウォッチメンにも通じるものがあってよかった。一歩間違えれば普通に犯罪者にされそうな、この危うさが魅力よね。
夜行性のバットマンということもあって、画面がやたら暗くて、やたら雨が降ってるのもダークな世界観を補完していた。

バットモービルもアメリカのマッスルカー(マスタングなのかな)にジェットエンジン?を強引に取り付けたような見た目も音も暴力的な仕上がりでかえってよかった。マッドマックス感!

往年のロッカー、レニー・クラヴィッツの娘のゾーイ・クラヴィッツが演じたキャットウーマンは、今まで以上に真面目でシリアス寄りなキャラでちょっと意外。デレるの早すぎない?と思ってしまったけど、黒髪ショートヘアに沢山のピアスとライダースーツでカッコよかった。ただあの銀行強盗みたいな適当なマスクはどうかなー?途中からでも適当に理由つけて皮かエナメル製に変えて欲しかったな。

ポール・ダノは、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の神父役とか「ファーストフード・ネイション」の厨房バイト役とかのクッソ性格悪い役を演じる彼が大好きなので、今回のリドラー役は彼の得意とするクソ野郎キャラで見ていて安心感があった。ただあのボンデッジ感溢れるマスクで顔がよく見えないのが残念だったかな。そうする理由はあったわけだけど。

ペンギンはコリン・ファレルとはわからなかったなー。っていうかあそこまで別人にしちゃうとコリン・ファレルの意味あんの?って気がするけどどうなんだろうね?あんな特殊メイクでも演技は上手いんだけどさ。

3時間くらいあって長かったけど、存分に楽しめました。同じチケット代なら長い方が得だわなぁって思えるレベル。
映画館じゃないと端から端まで集中して見れない気がした。スマホ見たりしちゃうからね。

劇中に流れるニルヴァーナの「Something In The Way」も映画のトーンにバッチリあっててナイス選曲だったわ。厨二感を増幅させるというね。
サトタカ

サトタカ