クリストファー・ノーラン監督作「ダークナイト・トリロジー」完結から10年。
『クローバーフィールド/HAKAISHA』『猿の惑星:新世紀』マット・リーヴス監督が手がける「バットバース」第1作。
✏️「バットバース」の幕開け
ティム・バートン、ジョエル・シュマッカー、クリストファー・ノーランと過去様々な映画監督が、混沌とした悪がはびこる街・ゴッサムシティで活躍するバットマンの姿を描いてきた。
そのすべての過去作と比較して、
「最も暗く救いがない、重々しいバットマン」作品である。
本作はアクション映画というよりも、スリラーやサスペンス・ミステリ作品的な趣の方が断然強い。
本作のメインヴィランはおなじみナゾナゾ男ことリドラー。
『バットマン フォーエヴァー』でジム・キャリーが演じたリドラーとは見た目からしてほぼ別人で、破壊や殺戮行為に一抹の罪悪感さえ抱かない、むしろ一連の行為をバットマンとの「ゲーム」として楽しむパーフェクト・サイコパス。
リドラーが仕掛ける謎と対決しつつ、殺人の隠蔽工作や裏金といったゴッサムシティに潜む汚職事件をつまびらかにしていく。
これらの事件は、バットマンというヒーローを描く上で避けては通れぬブルース・ウェインの悲しき過去ともリンクし、3時間というまあまあ長めの作品時間を忘れさせてくれる緊張感が心地よかった。
一応過去作との繋がりは一切ないが、バットマンをほぼ知らない一見さんが見て楽しめる作品か、と問われると微妙。
自分も別にバットマンに詳しいわけではないが、過去作で語られる程度の
「バットマンがなぜ誕生したのか」
「メインヴィランやキャットウーマンがどのようなキャラクターなのか」
などは事前に抑えておいた方がより本作を楽しめることは間違いない。
暗く陰鬱としたゴッサムシティを象徴するかのごとく、物語のほぼ9割が「夜」+「雨」の場面であり、かつその中でダークでヘビーなバットマンのストーリーが展開されるので、あまり万人受けする映画ではなさそう。
暗い場面が多いということで、ぜひこれは映画館で見てみたかった。
☑️まとめ
個人的には「ダークナイト・トリロジー」の作風の方が好みだけど、これはこれでやっぱり丁寧にバットマンの活躍が描かれているし、面白い。
終盤にはバットマンには外せないお約束の”彼”もちらっと登場し、次回作への期待を大いに抱かせてくれた。
<作品スコア>
😂笑 い:★★★☆☆
😲驚 き:★★★★★
🥲感 動:★★★☆☆
📖物 語:★★★★☆
🏃♂️テンポ:★★★★☆
🎬2023年鑑賞数:41(15)
※カッコ内は劇場鑑賞数