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バーニング・バードのandorinhaのレビュー・感想・評価

バーニング・バード(2016年製作の映画)
4.5
舞台はスリランカ東部、時代は内戦の真っ只中の1989年。
民兵に夫を殺され、一家の大黒柱を失ってしまった主婦クスムは家族を養うため必死になって仕事を探すが、行く先々で大きな壁が立ち塞がる…。

この一家の不幸の始まりは、ある人物による密告。この密告の目的はなんだったのか。恨みによるものか、正義のためか…。目的が何にせよ、子供から教育の場を奪い、クスムを心身ともに傷つけ、追い詰めたことは間違いない。
都会に出れば仕事があったのでは?工場などの仕事はなかったの?との疑問には、工場があったのは都市部であり、かつ求められていた人材はあくまで若者であったと監督は答える。
若いと言えない女が仕事のあてのないまま、8人の子供を抱えて都会に出ていくのは、あまりにも大きすぎる賭けだったことは想像に難くない。

スリランカ内戦が終結したのは2009年。ほんの7年ほど前のこと。当時の情勢を考えると、この話の展開は決して突飛なものではない。
風や匂いまでも感じさせる映像美が、胸を突くほどの哀しみを一層深める。
この作品は三部作の二作目あたるとのこと。新作にも期待したい。
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