このレビューはネタバレを含みます
東京フィルメックスにて鑑賞。
映画祭って初めてだったのでドキドキしながら参加。
なんかいいですね、誰も飲まない、食べない、ゆったりした感じ。
天候❄️もあってか席もいい感じに両端、前も空いてて足組み替え放題、伸ばし放題!笑
初のフィリピン映画、
普通の家族を観ました。
第一印象。
あぁ〜そうですかぁ…。ううん…そう…まぁ、そうなるよね…。
といった感じです。
フィリピンのストリートチルドレンの生活や、彼らが受ける様々な非情な仕打ち、それでも彼らは自分たちを憐れんだりせず、ただ生きる。
彼らにとって自分たちは決して特別なんかじゃない。
周りが好きな物差しで自分たちを見た瞬間、普通じゃない存在に変えられてしまうだけなんだ!
そして、ストリートチルドレンを自分とは縁遠い存在と思っている人々に対して、
なぜ自分たちは普通で彼らを普通じゃないと言えるのか?
自分たちがこのようになる可能性はゼロだと言い切れるのか?
を問いかけられているような、そういった社会的なメッセージを感じた。
音や匂いまでこちらに伝わってきそうなリアリティがあり、
度々挟まる防犯カメラ越しの映像も、観客を改めて第三者として見つめさせる効果があり、
自分たちは傍観者だ、とも言われているような印象があった。
自分の悪い癖なんだけど、
主人公ジェーンの赤ん坊をさらったゲイのエルサは、自分がどんなに努力しても手に入らないものを手に入れたかったのでは…?
とか、
どんなに恵まれた環境の人が引き取りたいと言ってきても、親にはなれないと言っていたジェーンはラスト、取り戻した子供を見て本当は自分の子だと確信していたけど、子供の未来を考え、あえて自分の子じゃないと言いながら返したのでは…?
とか、
そういう物語というか予測を勝手に作り上げてしまうんだよね…。まあ所詮二番煎じにしかならないんだけど。
恐らく、そこまで踏み込まないことがこの映画の良さなのだろうなと思った。
…だがしかし、
そうなるとあまりにも、
社会的に偏見を受ける人々を救いなく描きすぎてはないか、とも思ってしまった。
これでは、
あぁ、ストリートチルドレンやゲイの人々は、辛いんだなぁ、大変だなぁ…!!
で感想が止まってしまいそうな印象も受けた。
個人的には、
みんなから憐れまれ、蔑まれ、メディアのいいように利用されがちな存在を、
彼ら自身に通ってる芯を強調する方法で描かれていたら、
もっと心を揺さぶられていた。
でも役者さんたちは本当に素敵だった。
主役の人も本当に上手かったけど、ゲスい役の人たちなんて本当に殺してやりたくなるくらいゲスかった。
変にドラマチックじゃないゲスだと、憎めないキャラになり得ない、本物のゲスになれるんだなって。