Oto

男の子の名前はみんなパトリックっていうののOtoのレビュー・感想・評価

3.9
ロメール脚本&ゴダール監督の、初期のポップな短編。ゴダールが亡くなってからずっとセルフゴダール映画祭をやりたいな...と思っているけど忙しくてなかなかできていないので短編から。
タイトルの通り、ルームシェアをしている女学生2人が同時期に「パトリック」という青年からナンパされて浮かれるが...という物語。

カットが多くてテンポが早くて、活劇として面白いし可愛い映画。『優しさのすべて』の参考作品と聞いて興味を持ったけど、ピストルのシーンもある。
ロメールらしい「偶然」によるすれ違いやユーモラスな会話も楽しめるし、ゴダールらしい難解さはまだなくて若々しい描写と洒落た音楽が楽しめる。軽快な演出と展開に個人的には『スティング』を連想したし、身近で魅力的な女性の葛藤という点では今泉力哉の初期短編と同じ香り。

英字幕でみたけれど他愛ない雑談が魅力の映画だったりするので日本語字幕で見直したいと思ったけど、こういう気軽な短編から制作がスタートしてるのすごくいいな。
スノッブの当時の日本のイメージは「ミゾグチ?クロサワ?」なのかと笑ったけど、シネフィル二人で作ってるんだからそりゃそうなるか。「軽薄」ってある種の魅力でもあるなと思った。
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