「魚は網に掛かったら終わり。」
観た者の心を爪で引っ掻く。
キム·ギドク監督作品
凄い熱量の作品。
家族を大切に、つましく真面目に働いてきた北朝鮮の漁師ナム·チョル(リュ·スンボム)
いつものように漁に出るが、モーターボートのエンジンに網が絡まり、流されて軍事境界線を超えてしまう。
「助けてくれ」
必死で手を振るチョル。
意図せずスパイ容疑をかけられ、両国の思惑から亡命か投獄か。
マスコミを使った南北のチョルの争奪戦。
韓国の亡命者への手厚い扱いはわかっても、家族の元へ帰ろうとするチョル。
北への恨みいっぱいの酷い刑事からチョルを守る、脱北者の祖父を持つ若いイケメン刑事(イ·ウォングン)との友情。
彼がイライラする理由はチョルを本当に思っているから。
この人の存在に気持が救われる。
本物のスパイに利用されたり。
韓国の街中に放り出されても目を瞑り、「資本主義を見てはいけない」と必死なチョル。
マスコミでチョルを知り、チョルを思う韓国の人々。
…あんなに頑張ったのに。
何も悪くない誠実な男を傷つけた相手が😓
やりきれない。
1番優しくなければいけない人と、忠誠を尽くしたものにされた仕打ち。
「もう嫌だ」
当たり前だ。
ラストの子役の表情が可愛すぎてゾッとした。こんな感情初めてかも。
心に響きすぎる、あの家のシーン。
キム·ギドク
やはり爪で引っ掻く。
鑑賞後、衝撃で熱が出て寝込んだ。
しばらく夢に映画のシーンが出て来た。