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苦い銭
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苦い銭の作品紹介

苦い銭のあらすじ

監督のカメラが捉えたのは、出稼ぎ労働者が住民の80%を占める街・湖州で働く人々。14億が生きる巨大中国の片隅で、1元の金に一喜一憂する彼ら。

苦い銭の監督

原題
Bitter Money
製作年
2016年
製作国
香港フランス
上映時間
163分

『苦い銭』に投稿された感想・評価

TOSHI

TOSHIの感想・評価

-
人間が幸福な人生を追求する上で最大の問題は、金のあるなしで人生が決定づけられてしまう事だろう。実際、世の中に金で買えない物は殆どないし、一生働かないで暮らせるだけの金があったら、悩みなどなくなるに違いない。一方で金に困り、借金苦で自殺する人の話などを聞くと、やりきれない気持ちになる。金のせいで人が命を絶たなければいけない事など、あってはならない筈だ。
中国に行くと、超近代的な施設に隣接して、開発から置き去りにされたかのような居住区があるのに驚くが、繁栄と貧困、金を持てる者と持たざる者の格差が、これ程激しくなっている国はないのではないか。
中国を代表するドキュメンタリストである、ワン・ビン監督は、一貫して繁栄とは無縁の持たざる者を追い続けているが、本作のテーマは出稼ぎ労働者だ。中国の子供服の8割を生産し、裁縫工場が集まる浙江省湖州市は、人口の8割が、中国各地から集まって来る出稼ぎ労働者だという。

映画は、雲南省出身の15歳の少女シャオミンが従姉妹と共に、裁縫工場で働くため、バスと列車を乗り継ぎ湖州市の織里に向かう場面から始まる。満員の電車の中でトランプをしたり、ぐったりと眠っている人達が延々と映され、一瞬、何故こんな物をわざわざ金を払って映画館で観るのだろうかと思うが、何故か目が離せず、静かな映画的興奮を感じる。
織里はベルトコンベアの大規模な工場ではなく、数十人規模の小さな工房が密集する、工業団地のような場所だ。時給16元(300円弱)の仕事のために、親や子供を故郷に置いて、何千キロの距離を旅して、労働者達が集まるのだ。アパートに入ったシャオミン達は瑞々しく、これから稼ぐという希望が感じられるが、一日12時間の過酷な労働で、一緒に就職した少年は、早々に故郷に帰る。当初はシャオミンが主人公かと思ったが、カメラの視点は同じ工場で働く労働者へ、次々と移動していく。男達の誘いに乗りたいが、怖くて遊びに行けない娘達、マルチ商法に色気を見せる男、同室の仕事に不満を持ち酒浸りの男、要領が悪く一日70元(約1200円)しか稼げず、他の工場へ移らざるをえなくなる男などが映されるが、エピソードのごく自然な転換が見事だ。

ビン監督作品では、カメラが存在しないかのように被写体の人々が話し、行動するのが特徴的だが、本作でも登場人物達の生活の隅々にカメラが密着し、信じられない程、プライベートな出来事が描き出される。圧巻はリンリンと雑貨店を経営する夫・アルヅとの、別れるなら金を渡せというケンカである。「カメラ回ってるぞ」と言いたくなる程、ガチのケンカが延々と繰り広げられる。クビを言い渡され、酔いながら延々と女子社員に絡み続ける男も、よくカメラの前でそんな情けない姿を晒せるものだと思う。被写体の人々と信頼関係を築いた上で、カメラを長時間回し続ける事で、被写体がカメラを意識しなくなり、こんな映像を撮る事ができるのだろう。
新興国ではよく、街並みや人々の生活ぶりの中で、不釣り合いなスマホが普及している光景が見られるが、本作でも誰もがスマホを手放さない。それが自分と故郷を繋ぐ、唯一のツールだからだろう。何度も挿入される、アパートのベランダからの、灰色の団地群やゴミが散乱した路上の光景も印象的だ。
「苦い銭を稼ぐ」ために集まり、一元の金に一喜一憂する人々がずっと映されるが、こんな会話や表情、こんな瞬間が何故撮れるのかと、ビン監督の映像マジックに驚嘆する。厳しい現実を描いているのに、悲愴感が感じられないのも、ビン監督ならではだ。強いメッセージも劇的な展開もないのに、約2時間40分間、惹きつけられ続けた。
本作はベネチア映画祭で、独創的な作品を集めたオリゾンティ部門で、脚本賞とヒューマンライツ賞を受賞したが、脚本賞とはヤラセな訳ではなく(映画である以上、ドキュメンタリーの本質はある意味、ヤラセな訳だが)、物語を繋いでいく緻密な構成に授けられたようだ。

労働者達が作っている子供服を見ると、日本でも郊外の格安店などで見かけるような服である。彼らは自分達が作った服が、世界の何処で着られているかなど知りもしないだろう。中国の貧しい労働者の映画を、世界中の彼らに比べればずっと裕福な人達が、金を払って観るというのも、考えてみれば不思議な構図だが、何故、世界の人が見入ってしまうのかといえば、生まれた環境が違い、程度の違いはあっても、金が欲しくて、働いて眠るだけの人生を送っているという意味では同じである、自分自身を投影してしまうからだろう。中国社会のリアルな縮図という形で、普遍的な人間の本質を突き付けてくる傑作だ。
4Dで観るアトラクションのような映画が映画だと思う人は、決して観る事はないだろうが、本当の映画ファンなら、事実を淡々と撮っているだけの本作が、劇映画以上の面白さ、感動を生み出す瞬間を、目撃せずにはいられない筈だ。
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.3
 まさに傑作『青春 春』の正しいプロトタイプのような作品で、6年ぶりの再見だが本当に素晴らしかった。月並みな言い方だが感動した。今作の立地は長江デルタ地帯なのだが、新疆ウィグル自治区でいま起きている問題を当時の世界線でえぐり出した力作で、とにかくえげつない。グローバル資本主義の最下層の人々を見つめたあまりにも示唆に富む傑作だろう。東欧の人々がドイツやフランスに労働に向かうように、中国の農村の出稼ぎ労働者は長江デルタ地帯へと向かう。その数は年間約30万人と言われており、彼らの労働力はより賃金の高い働き口へと流れて行く。すっかり円が弱くなった我が国の現在の世界線では旅行客はいるが、アジアの働き手は我が国よりも時給の高いお隣の韓国や中国に流れて行く。2000年代初頭の世界線では飲食業に従事するアジア系の人々の割合は多かったが、グローバル資本主義が跋扈する現代の経済においてはアジアで日本だけが圧倒的に負け続け、来日する外国人は仏教徒の多い親日国のスリランカ人ばかりになってしまった。

 中国の長江デルタ地帯に無数にある縫製工場では、最下層の人々の労働が金に変わって行く。ある意味『闇金ウシジマくん』よりもリアルで、為になるお金の話である。2016年の撮影当時は確か一元=17円のレートだったが今は一元=21円ほどに上昇しているが、たった数元の賃上げ交渉の生々しさはあれども、たかだか21円の賃上げでは針の筵ではないか。安い列車に乗り込み、または簡易なバスに乗り込み、農村の出稼ぎ労働者はひしめくように長江デルタ地帯へと向かう。ワン・ビンのカメラはその刹那と焦燥とを見つめながら、被写体に適度な距離を置きながら中国の暗部を映し出す。労働者たちの縫製レベルはおしなべて高いが、おそらく日本のユニクロやGUに納品されていたメイド・イン・チャイナの衣服のほとんどがこの地区から輸出されたものであることは想像に難くない。というか世界のファスト・ファッションを展開するグローバル企業の多くが彼らを搾取し、安く買い叩き、わかり易い方法で利ざやを稼ぐ。工場長がもう少し賃金をと交渉に入れば、バングラディシュやスリランカやベトナムではもっと安い賃金で働いてくれるよと詭弁を展開する。グローバル資本主義においては、出稼ぎ労働者よりも企業側が圧倒的に優位な世界線を展開する。止められるはずもない現代の問題に8年前に気付き、カメラを回し始めたワン・ビンのしぶとさの勝利で、今作が無ければ傑作『青春 春』は存在していない。
菩薩

菩薩の感想・評価

3.9
働けど働けど猶わが生活楽にならざり、咳をしても一人ぢっと手を見てなどいると、人としての形、その輪郭は段々と朧げになり、もはや物に成り下がったなどと実感する事が良くある。物であるからそこに感情は無く、未来も無く、希望も可能性も無く、壊れたところで代わりなどいくらでも存在する。そうして汗水垂らして溜め込む物を溜め込んで苦い銭を稼ぐ傍で、享楽と贅沢に溺れながら甘い蜜を吸う輩がおり、今日も削りに削られた「人権」費が誰かの懐を温めている。それがグローバル経済の正体であると言う以前に、人間社会の真実であろう。少なすぎる0は人を腐らせ尖らせ鬼へと変える、多すぎる0もまた強欲の嵐に晒し更なる搾取の目論見へ人を走らせ鬼へと変える、人が人の形を保ち続けるのは困難であり、兎角この世は生き辛い。たかだかちっぽけな紙切れ一枚に踊らされる人間の姿、だがそんな紙切れが、また目には見えない通貨が、結局はこの社会を牛耳り回しているのである。金は天下の回り物、そして回し者、回されているのは猿、では無く人である。

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