ゴールデン・アームズ 導かれし者のtomie77のネタバレレビュー・内容・結末

インドネシア版カンフー映画といった趣きの作品。
昔のインドネシアを舞台に、少女が師の仇討ちの為に修行を重ね、やがて1人の武術家として成長する姿を描く。

黄金杖派の老師チェンパカは病で力尽きる前に、弟子の1人に後継者の証・黄金杖と奥義を授ける決意をする。4人の弟子から師に選ばれたのは未熟な少女ダラだった。最年長で最強の兄弟子ビルと、彼を愛する姉弟子グルハナは不満を抱き、師に毒を盛り、黄金杖を奪わんと襲いかかる。最後の力を振り絞ったチェンパカの犠牲により、ダラと最年少の弟子アギンは黄金杖を守って逃げるも崖下に落下して…。

性根に悪が潜んだ最強の弟子より未熟だが清廉な弟子が後継に選ばれたり、師の仇を討つ為に修行を重ねて奥義を会得するなど、往年のカンフー映画を思い出す王道ストーリーで懐かしい気持ちになる。邦題はB級映画っぽいが物語も映像もいたって硬派で、武術の道に生きる者の責任や苦しみも描いている。ダラを助ける青年の正体、アギンの選ぶ道、武術界の支配にまで手を伸ばすビルとグルハナの飽くなき欲望など人間ドラマも充実していて、海岸や大草原など広大な自然の風景も見る価値あり。アクション面も、ワイヤーアクションを駆使してはいるものの荒唐無稽にはならず堅実で格好良かった。クライマックスになるべき奥義で仇を討つ場面が、かなりあっさりしているのが残念。