ベビーパウダー山崎

愛の喪失/ネヴァー・エヴァーのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

2.5
原作のドン・デリーロ『ボディ・アーティスト』も一応読んでいるけど、中卒には難しくてさっぱりだった記憶。ブノワ・ジャコーもデリーロの世界観を理解しているのか怪しいところ。それでもどこかで接点を見つけて撮るしかないので、ジャコーは音と映像に甘えて幽霊映画の枠に強引にぶち込んでいる。マチュー・アマルリックの存在は彼女が見る幻想なのか幽霊なのか、その判断を揺さぶるようなくだりが何度も繰り返されてジャンル映画としても愚鈍。映画そのものはボンヤリしているのに退屈なくだりだけハッキリしているという誤った演出。あまりにも無機質な建物と80分ちょっという短さだけ良かった。