いかえもん

オペレーション・メコンのいかえもんのレビュー・感想・評価

オペレーション・メコン(2016年製作の映画)
4.2
これはわりと掘り出し物じゃないかな。実話をもとにした麻薬組織VS中国特殊部隊ものなんだけど、お恥ずかしながら、アジアにおける巨大麻薬密造地域がどこにあるかとか知らなくて、とても勉強になった。

メコン河で中国船が襲撃を受け、乗組員13名が惨殺される。中国の特殊部隊と現地に潜入している諜報員が協力して事件解決にあたるが、事件の背後に巨大な麻薬組織が関与している事がわかる。そこはゴールデントライアングルと呼ばれる、タイ、ミャンマー、ラオスの三国に交差する地域で、誰も介入出来ない全ての犯罪が横行する悪の天国として恐れられている地域だった…。

最初の方に出てくる、この地域に暮らす人々が、組織に反抗したことで片腕がなかったりする映像や、途中で出てくる麻薬漬けにされた子供たちをテロリストのように使うシーンとか、かなり震え上がる。
そういうシリアスな映像もありつつ、最後にゴールデントライアングルへの襲撃を行う特殊部隊のシーンはかなりの迫力。

巨大麻薬組織といえば、南米のメキシコやコロンビアが舞台になる映画やドラマは結構あって、観てる人もいると思うけど、どこか遠くの国の他人事みたいなところもあると思う。そういう意味で、割と近いアジアの地域を舞台にしたこういう映画はあんまりないように思うので、一度観てみるのはありかなと思う。中国万歳映画かと思うかもですが、そういう雰囲気はあまり感じなかったです。

潜入捜査官のエディ・ポンの口ひげが、あのキュートな顔に似合わなすぎて笑えたり、メキシコの麻薬王とかって豪邸住まいだったりするのに、この映画のボスは、木と藁で作ったトムソーヤみたいな家に住んでて、なんで?とか思う。まあ、身を潜めているから仕方ないのかもしれないけど、一体あのため込んだ札束や金塊はどこで使うねん!とか思いました。

ダンテ・ラム監督の作品では、特におすすめですね。