マフィアを騙して味が出た
【三谷幸喜初鑑賞】
実は初鑑賞の三谷作品。
殺し屋の役を演じる佐藤浩市は、マフィアに本物の殺し屋と勘違いされて雇われてしまう。「知らなすぎた男」のような、騙されてる男が自分のスケールを駆使して奇跡的に困難を回避する勘違いコメディ。
笑えるというよりも、いつバレてしまうのかと気が気じゃなくてとても笑えません。楽しいけど笑
勘違いドタバタ喜劇の監督とは耳にしていたけど、それ以上に古典映画への憧れが受け取れる方でした。憧れの映画スターに近づこうとする佐藤浩市の姿は、さながら古典映画に憧れる監督自身の等身大みたいです。
【日本なのにこんなにお金かけてるんけ】
著名俳優の目白押しがびっくらこきましたね。これはある意味三谷幸喜さんにしか作れない作品です。予算が足りない!と阿鼻叫喚の飛び交う日本映画界隈で、ここまで予算の重みを感じさせる作品はある意味新鮮です。
北野さんでもこんなに集められないのではないでしょうか…?
【勘違い喜劇として】
肝心の勘違い喜劇なんだけど、あんまり感性に合いませんでした。いかんせん私は
「ロックストック&テュースモーキングバレルズ」や
「鍵泥棒のメソッド」のような
どんどん要素同士が絡み合って、複雑な因果関係がカラクリのようにすっぽりコメディに落ち着く作品が好きなのです。それと比べると今作のカラクリは台詞の掛け合いとかに任せていて、その場面場面を楽しむテーマパークみたいな印象です。
多少ゴリ押しなところはあるのだけれど、所詮コメディじゃんと言われれば確かにと言わざるをえない。そういうところがコメディというジャンルの強みなんだよね、全くいやらしい。
【ちょい役も豪華すぎてなまとめ】
いかんせん悪夢的な予算に尽きる。ドタバタコメディとしてすごくアメリカ的なアプローチをしていて、なんだかこちらまでウキウキであった。机に醤油?かなんかが広がるシーンなんて臭いのなんの、でも好きを貫く姿勢は愛嬌があんのよ。