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ザ・マジックアワーのこよりのレビュー・感想・評価

ザ・マジックアワー(2008年製作の映画)
3.3
主人公でマフィアの子分の妻夫木聡がボスの女に手を出して、消されそうになるが、
ボスは「伝説の殺し屋デラ冨樫を連れてくればチャラにしてやる」という。
そこで妻夫木聡は売れない役者である佐藤浩市を映画の撮影と騙して、デラ冨樫としてボスの元に連れて行くのだが…という話。

前半(といってもかなり終盤まで)はいつバレるのかとハラハラする感じで進んでいくので、結末はハッピーエンドだろうな、と分かりつつも、
アトラクションに乗ってるみたいな感覚が味わえて結構楽しめた。

お金のかかってそうなセットや、
三谷作品ならではの出演者の豪華さも見どころ。
三谷作品は「ラジオの時間」と「THE有頂天ホテル」しか見てないが、三谷作品はアニメのようだなぁと思った。
計算し尽くされたセリフとカットと小物と演者と。
不自然なまでの完璧な世界。
ここが好き嫌いが分かれるところなんだろうな、と。
私は自然体な演技や演出も好きだけど、こうやって計算し尽くされた世界も嫌いじゃないです。
後者の方がコメディには向いてるのかな?
安心安定の画面作り。

終盤の方に、物語がガラリガラリと動くところで、色々ご都合主義的な部分があるのだけど、
これは私の嫌いなご都合主義ではなくて、ちゃんと計算されてこうなってるんだなぁと納得できるのは、世界が作り込まれてるからこそ。
逆に中途半端に自然体を入れようとして最後に無理矢理ガガっとまとめ上げる映画もあると思うので、いっそここまでやってくれる方が清々しい。

全体の感想としては目新しいものはないし、グッとくる部分もない。
言い方を変えれば、懐かしい感じで、心を揺さぶられて疲れることもない。
安心安定のファミリーで見れる映画だと思いました。
(ディズニーランドのイッツァスモールワールドみたいな感じ?)
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