このレビューはネタバレを含みます
タイトルインの前後でシリアスパートとコメディパート、緊張と緩和によって描かれる不意をつかれる構成。感傷的になりがちな人の死を描いているけれど、程よく心揺さぶられる70分と絶妙な上映時間も相まってなかなかできない映画体験ができた。
少し不謹慎さのある笑いも交えつつ、ふざけすぎないギリギリのラインになっていてお笑い芸人がたくさん出てくる違和感をあまり感じさせない演出も上手い。『変な家』の真面目な演技が記憶に新しい佐藤二朗はお笑い芸人ではないのに、いつも通りのアドリブ風のセリフによる笑いのほうが爆発してた!後ろに映る伊藤沙莉とか笑いこらえてたし(笑)
さらに松岡茉優の存在が暗くなりすぎない雰囲気を作り出す重要なキャラクターになっていて、こちらに安心感を与えてくれていた。
どの作品に出ていてもつい注目してしまうバイプレーヤーのリリー・フランキーの父と息子という関係だからこそ知らなかった真実が少しずつ明らかになっていく流れからの、高橋一生の最後のスピーチがシンプルながら胸に来る。
ふと思い出してまた観たくなる、そんな作品になった。