おさるのじょじへい

blank13のおさるのじょじへいのレビュー・感想・評価

blank13(2017年製作の映画)
3.8
齋藤監督の短編作品がレンタルではなかなかお見かけしないので、今作をとても楽しみにしていました。

ちょっと主張が強い気もするけど、映像でストーリーを語る演出はフランスや北欧映画のようでした。見返してみてしっかりと、つじつまも合っている!ああ監督は真のシネフィルだし、素晴らしい作品をたくさん観て来たんだろうなと実感しました。

幼少期にコウジと似た経験をした自分には、涙を堪えることができませんでした。しかしまぁ、八方美人な父…。実在した御父上を批判するのも気が引けますが、一番大切な家族を大事にできず、死後も息子たちの心を揺らすだなんて、なんと人たらしな(苦笑)
自分の父にも通ずるものがあったので、コウジとヨシユキの困惑が痛いほどわかりました。

あたたかで平穏な家庭を描いた印象の『家族の風景』が一変して、松田家のような家庭だからこそ胸に沁みた気がします。

きっと齋藤監督は、10年後には日本を代表する監督のひとりになっていると感じました。でもインディーズで、このままの色でがんばって欲しいなぁ。